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CK クレアチンキナーゼ

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測定法

CK


JSCC標準化対応法
 検体中のCKは、クレアチンリン酸とアデノシン-5′-二リン酸(ADP)を基質としてクレアチンとアデノシン-5′-三リン酸(ATP)を生成します。このATPにグルコースとβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型(β-NADP)の存在下でヘキソキナーゼ(HK)およびグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6P-DH)を作用させると、ADP,6-ホスホグルコン酸,β-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型(β-NADPH)が生成されますので、このβ-NADPHの生成に伴う吸光度の増加速度を測定することによりCK活性値を求めます。
 なお、本品ではCKの活性化剤としてN-アセチルシステイン(NAC)を使用しており、アデニル酸キナーゼの阻害剤としてP1P5-ジ(アデノシン-5′-)五リン酸(Ap5A)とアデノシン-5′-一リン酸(AMP)を使用しています。



CK-MB


 ヒトのCK-Mサブユニットに特異的に結合してその酵素活性を失活させる阻害抗体(抗CK-M阻害抗体)によって血中のCK-MM及びCK-MBのMサブユニットは酵素活性を発現できず、CK-BB及びCK-MBのBサブユニットによる酵素活性が検出されます。
 CK-BBが血中に流出することはほとんどないため、抗CK-M阻害抗体の存在下で検出されるクレアチンキナーゼ(CK)活性はCK-MBのBサブユニットに由来するものであり、この活性値を2倍したものがCK-MBの活性値とみなすことができます。
 なお、抗CK-M阻害抗体の存在下で残存するCK活性の測定法は上記CKの反応に基づくものであり、β-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型(β-NADPH)の生成に伴う吸光度の増加速度からCK活性値が算出されます。
 なお本品では、CKの活性化剤としてN-アセチルシステイン(NAC)を、またアデニル酸キナーゼの阻害剤としてP1P5-ジ(アデノシン-5′-)五リン酸(Ap5A)とアデノシン-5′- 一リン酸(AMP)を使用しています。

測定意義

 CK(クレアチンキナーゼ)は筋肉や脳に多量に存在する酵素で、(クレアチン+ATP⇄クレアチンリン酸+ADP)の反応を触媒しており、エネルギー代謝上重要な役割を果たしています。CKは細胞上清分画とミトコンドリア分画に存在しており、細胞傷害により血中に逸脱・遊出するため、血中活性が基準値より上昇した場合には、CKが存在する臓器に何らかの傷害が発生したと考えます。
 細胞上清分画には、CK-MM、CK-MB、CK-BBの3つのアイソザイムが、ミトコンドリア分画にはミトコンドリアCKが存在します。CK-MMは骨格筋、CK-MBは心筋に、CK-BBは脳や平滑筋に多く存在するため、アイソザイム分析を行うことでより詳細な損傷組織・臓器を推測することができます。

                     
CK高値) 急性冠症候群、心筋炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、筋ジストロフィ症、甲状腺機能低下症、悪性高熱症 など
CK-MB高値) 心筋梗塞(心筋梗塞発症後4~8時間で増加し、24時間で最大となり、3日間上昇が認められることが多い)、進行性筋ジストロフィ症、皮膚筋炎、筋損傷に伴うミオグロビン尿症 など
                                         
参考基準範囲
 
血清CK  男 29~243U/L
 女 27~172U/L
(社内データ、男379例,女456例よりパラメトリック法にて算出)
血清CK-MB  25U/L以下
(金井 他,臨床検査法提要,33版,金原出版, p.530,2010.)