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AST・ALT トランスアミナーゼ

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AST測定法

JSCC標準化対応法

 検体中のAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)はα-ケトグルタル酸のα-ケト基とL-アスパラギン酸のアミノ基の転移反応を触媒し、オキサロ酢酸とL-グルタミン酸を生成します。
 このオキサロ酢酸にβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド還元型(β-NADH)の存在下でリンゴ酸脱水素酵素(MDH)を作用させると、リンゴ酸とβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド酸化型(β-NAD+)が生成されますので、このβ-NADHの減少に伴う吸光度の減少速度を測定することによりAST活性値を求めます。

ALT測定法

JSCC標準化対応法

 検体中のALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)はα-ケトグルタル酸のα-ケト基とL-アラニンのアミノ基の転移反応を触媒し、ピルビン酸とL-グルタミン酸を生成します。
 このピルビン酸にβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド還元型(β-NADH)の存在下で乳酸脱水素酵素(LD)を作用させると、乳酸とβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド酸化型(β-NAD+)が生成されますので、このβ-NADHの減少に伴う吸光度の減少速度を測定するこのによりALT活性値を求めます。

測定意義

 心筋梗塞・筋疾患・溶血性貧血では組織中の酵素分布を反映してASTの上昇が主で、ALTの上昇は軽度です。肝障害を評価する場合にはAST/ALT比が有用です。健常人ではAST<ALT、AST/ALT比は0.8以下となります。急性肝炎の極期ではAST>ALTですが、回復期ではAST<ALTとなることが多くあります。慢性肝炎ではAST<ALTとなり、劇症肝炎・ショック肝・肝硬変・肝細胞がんではAST>ALTとなります。これらは酵素の分布や障害の程度、酵素の半減期の違いによるものです。

                     
高値) 急性肝炎、中毒性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸、肝がん、心筋梗塞、進行性筋ジストロフィー、皮膚筋炎 など
                    
参考基準範囲
 
AST 血清 12~37U/L
(社内データ 905例より臼井法にて算出)
ALT 血清 5~36U/L
(社内データ 905例より臼井法にて算出)