測定法
Ca
検体中のカルシウム(Ca)はアルセナゾⅢと複合体を形成し、反応液の色調が赤紫色から紺色に変化します。この反応液の吸光度を比色測定することにより、カルシウム濃度を求めます。なお、マグネシウムの影響は8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸を添加することにより除いています。
測定意義
体内のCaの99%とリン(IP)の80~85%は骨中に含有されています。CaとIPの代謝はともにPTH(副甲状腺ホルモン)によって調節されており、血中および尿中のCaとIPの量はCaの吸収異常、骨疾患、諸種内分泌疾患などにより変動するため、CaとIPの測定はこれらの病態の診断に重要です。また、ALP(アルカリホスファターゼ)もこれらと相互に関連して変動することが多いので、これらの検査値を組み合わせて、臨床的な解釈を行うべきです。
血中Ca低値) |
高IP血症を伴う場合 副甲状腺機能低下症、慢性腎不全など 低IP血症を伴う場合 続発性副甲状腺機能亢進症 など |
血中Ca高値) | 原発性副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍 など |
尿中Ca低値) |
摂取不足、慢性・急性腎不全、ビタミンD不足、副甲状腺機能低下症、薬剤 など |
尿中Ca高値) | 摂取過多、特発性高Ca尿症、ビタミンD中毒、副甲状腺機能亢進症、薬剤 など |
血清 | 8.6~10.1mg/dL |
尿 | 150~290mg/day |
金井 他,臨床検査法提要,改訂33版,p.128,p.497,2010. |