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Mg マグネシウム

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測定法


 検体中のマグネシウム(Mg)により、イソクエン酸脱水素酵素(ICDH:EC1.1.1.42)が活性化されると、イソクエン酸はβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型(β-NADP)の存在下で酸化され、α-ケトグルタル酸(α-KG)となります。
 このとき、β-NADPは還元されてβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型(β-NADPH)となります。この反応速度はMgの濃度に比例しますので、β-NADPHの生成に伴う吸光度の増加速度を測定することによりMg濃度を求めます。



測定意義


  Mgは血漿中の含量が低いため、血漿Mg濃度が全身のバランスを反映しているとは限りません。Mg欠乏症では、腎機能が正常の場合には、尿、血球、血漿の順に欠乏の指標となり、欠乏時の尿中Mgは0.05mmol/L(0.12mg/dL)以下となります。 血球内Mgは細胞内濃度の指標として測定されます。高Mg血症では、細胞膜の興奮性を減少させ、心筋収縮を抑制する結果、除脈となり、さらに高濃度になると呼吸不全や低血圧を引き起こし、房室ブロックや心停止が起こる可能性があります。

                     
Mg低値) 慢性下痢、急性膵炎、腎不全、尿細管性アシドーシス、ネフローゼ症候群、原発性アルドステロン症、甲状腺機能亢進症、糖尿病、妊娠 等
Mg高値) 先天性巨大結腸症、肝炎、腎不全、アジソン病、甲状腺機能低下症、ミルク・アルカリ症候群 等
                                                              
Mg参考基準範囲
血清 1.8~2.3mg/dL
尿 20.6~164.9mg/day
金井 他,臨床検査法提要,改訂34版,p.543,2015.