各試薬の違い
測定法
検体中の蛋白はアルカリ性下で第二銅イオン(Cu2+)と錯体を形成します(ビウレット反応)。この呈色反応物を比色測定し、総蛋白濃度を求めます。
測定意義
血漿蛋白は各種疾患及び病態において様々な特徴的変化を示します。一般に量的に多いアルブミンや免疫グロブリンの変動がない限り、総蛋白量は異常値を示さないので、血清(血漿)蛋白分画を行い各成分の変動を調べることによって、病態の特徴を把握することが可能となります。したがって、血漿蛋白異常のスクリーニング法として総蛋白、血清(血漿)蛋白分画の検査は不可欠です。
高値 | ||
脱水) | 水分摂取不足、下痢、嘔吐、静脈うっ血、糖尿病ケトアシドーシス、熱射病、腸閉塞および穿孔、熱傷、外傷によるショック、急性感染症 など | |
網内系疾患) | 多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、単球性白血病 など | |
慢性感染症) | 細菌、ウイルス、原虫などの感染、関節リウマチ など | |
低値 | ||
血漿蛋白の漏出) | 出血、潰瘍、蛋白尿(ネフローゼ症候群)、蛋白漏出性胃腸症 など | |
栄養不良) | 栄養失調症、低蛋白血症、ビタミン欠乏症、悪液質(悪性腫瘍)、悪性貧血、糖尿病、妊娠中毒症 など | |
肝機能障害) | 肝硬変、肝がん、リン中毒 など |
血清 | 6.7~8.3g/dL |
金井 他,臨床検査法提要,改訂33版,p.403,2010. |